六月の雨と白百合

 

神社の白百合が 揺れている

六月の雨に 揺れている

ぶつかる透明のビニール傘

二人 同じこと願ったんだ

 

 

行き交う人々は それぞれに

雨色の街に 溶けていく

隠れ家喫茶店 雨の魔法

窓打つリズムと 珈琲と

 

最初の頃のような ときめきは減ったかな?

でも 毛糸を編むように 僕らだけの優しい空気

 

10年後の二人を描けるほど 僕らはまだまだ長くはないけれど

今しか感じられない時間(とき)の中 生きてる

 

 

川面に広がる 水玉模様

カルガモ親子が 流れていく

何でもないような日常も

二人一緒なら 美しく

 

二人なら意味を失くす 幸せの物差しなんて

もういらないんだ 幸せの意味を知ったから

 

 

「映画でも見たいな」 そう君は言い出した

思い付きで歩くのも楽しい この僕らの街

 

いつかは忘れてしまう 今日を過ごしているとしても

僕の瞳に映る世界は 輝いてるんだ

 

10年後の二人を描けるほど 僕らはまだまだ長くはないけれど

今しか感じられない時間(とき)の中 生きてる

 

 

神社の白百合が 揺れている

六月の雨に 揺れている

ぶつかる透明のビニール傘

 二人 駅まで帰っていく